文字を見ると気づかずにストレスに襲われる |
|
無意味で単純な黒丸なら、広範囲が見渡せるのに、意味を持っている文字が対象になると、非常に狭い範囲しか、識別することができなくなります。これは実は、無意味な黒丸を見ている時には全くストレスがないのに、文字を見ている時にはストレスが発生して、それが原因となって視野が狭まったせいです。 |
|
そして、このストレスのために大脳の機能のかなり大きな部分が不活性化して、能力に蓋がされてしまうのです。ですから、このストレスを除去、あるいは軽減するだけで、大脳機能の相当な活性化が図られるのです。しかし、大多数の人は、「文字を見るとストレスに襲われる」などと言われても、ピンと来ないでしょうから、納得してもらうために、そのことを論証していきましょう。 |
|
あなたは、何かスポーツに取り組んだ経験はありますか?全く経験がない人は少ないはずですから、初めて何かのスポーツに取り組んだ初心者当時のことを、思い出してください。 |
|
初心者は左脳で考える |
|
初心者の時には、身体の動かし方のコツが十分に把握できていませんから、頭で考え、意識の力を使って手足をうごかそうとします。この「頭で考え考え」というのは一種の論理ですから、左脳が主導権を握ります。そうすると、「早く覚えたい」という意識がプレッシャーとなって襲いかかり、手のことを考えた時には足のことが考えられず、足のことを考えた時には手のことが考えられず、という状態になります。 |
|
もちろん、プレッシャーはストレスの大きな原因となるわけで、人間はストレス時には、このように意識を広範囲にまんべんなくいき渡らせる、いうことが困難になり、偏った狭い範囲にしか意識を向けることができなくなります。同様の現象が、耳から入ってくる音の世界でも起きます。たとえば、あなたが喫茶店やホテルのロビーで、待ち合わせの相手がやって来るのを1人で待っている状況を想像してみてください。 |
|
そうすると、周囲の席の客の話し声、ウェートレスが注文を取る声、電話を掛けている人の応答の声、BGM,外の道路を走る自動車の音など、みんな耳に入って聞こえてきます。ところが、いよいよ待ち合わせの相手がやって来て、話に熱中し始めたとします。途端に話し相手の声以外の話し声や、BGM,建物外の雑音の類は、かき消したように耳に入らなくなります。 |
|
さまざまな音は広範囲から入ってくる時には、ストレスがありません。しかし、自分の話し相手という限られた1方向からしか音(声)が入ってこなくなった時には、ストレスが発生しているのです。 |
|
潜在能力のスイッチをOFFにする条件反射 |
|
さて、文字を読もうとすると視野を絞り込んで狭い範囲しか見なくなる(広角度を見ていた脳細胞のスイッチをOFFにしてしまう)原因は何かと考えると、《条件反射》の一種と考えられます。そしてこの条件反射の起きる度合いには、かなりの個人差あって、それが思うように右脳を使いこなせないように潜在能力のスイッチを切ってします人(左脳型)と、それほど苦労なく右脳を使いこなせる人(右脳型)という違いが生じる主原因になっています。 |
|
右脳型の人ほどこの視野狭窄の条件反射と起こす度合いが弱く、人によっては、稀ですが、ほとんど起こさない場合もあります。ここでもう一度、文字(文書)を読んでいる際の、あなたの視野がどの程度が、把握してみましょう。 |
|
かなり狭いでしょう?それでは次に画面から目を離し、周囲を眺めてください。そばに窓があって、窓から外を眺めることができれば、もっと結構です。さあ、かなり視野が違って、景色を見る場合には相当に広いことに気がつくでしょう。さて、先ほど、右脳型の人は読書し、左脳で意味をとらえながら、同時に右脳の視覚野も使い情景に変換してそれを眺めながら読み進んでいく、ということを述べました。 |
|
それは、あくまでも現実の情景でない、想像によって描き出された一種の《幻影》に過ぎないわけです。しかし、右脳の視覚野が活動しているということは、肉体生理的の面から見ますと、現実の情景を眺めているのと類似の状態に置かれている、視野が絞り込まれずに、広角度を見ていた脳細胞のスイッチがON状態のままである、ということなのです。 |