集中力だけを高める速読法トレーニング
 
ところが、システマティックな訓練を積むと、知的な分野でも、「広範囲に神経を行き渡らせる」=「注意力が散漫にならずに、集中力が向上する」という状態を無理なく作り出せるのです。このシステマティックな訓練=速読法で、「緊張度を高めずに集中力だけを高める」という、以前はスポーツの分野だけで可能だったことが、知的な活動の分野でも可能になりました。
 
システマティックな訓練を受けていない人の99パーセント以上は、知的な思考活動・論理的な思考においては、緊張と集中力とが連鎖連動していて、切り離すことができません。それが、潜在能力をなかなか開花させられなかった根本原因です。つまり、潜在能力を解放し、大脳機能をオープンにするためには、速読法という基本OSを脳細胞に組み込む(一定レベル以上の速読法を修得する)のが第1段階、最短距離だ、ということになると思います。
 
並列処理頭脳が天才を生み出す
 
とにかく論理的な思考を伴った知的活動の分野で優れた実績を上げるには、注意力・集中力と緊張度とが、通常は硬く連鎖連動していて切り離すことはできません。これが、思うように能力・資質を伸ばせない多くの人の最大の“癌”になっていました。大多数の人においては「注意力・集中力を上げること」=「緊張度を高めること」=「ごく局部的にのみ注意力・集中力を上げ、その他の大部分の注意力・集中力を逆に激減させること」という公式になっていたのです。
 
従来は、このブレーキの外し方がわかりませんでしたから、学校の先生や親は子供を教える際に「いっぺんにいくつものことに手をださないように。1つずつ順番に確実丁寧に、片付けていくようにしましょう」という直列処理方式を金科玉条として指導してきました。
 
しかし、これでは絶対に能力は伸ばせません。平均的な秀才は作れますが、新たな分野を創造的に開拓していくような独創性に富んだ人材、未来社会に最も必要となる人材は生み出せず、かえってその芽を摘んでしまうことになります。「幼年時代は神童、20歳過ぎればただの人」という言葉があります。
 
これは、幼年時代は情報の量は少ないですから、直列処理方式で知識を詰め込んでも、詰め込みのスピードさえ速ければ“神童”になれますが、年齢が上がって情報の量が膨大に増えてきたら、非能率的な直列処理方式では絶対に間に合わなくなる、ということなのです。
 
ですから、並列処理方式で情報を扱って、尚且つ、その取り扱いスピードが速い人だと、「幼年時代は神童、20歳を過ぎたら大天才」となります。とにかくこのように、知的活動の分野で優れた実績を上げるには、注意力・集中力と緊張度との連鎖連動を速読法などの訓練によって切り離すことが肝要です。


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