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目には、レンズの厚さを調節する毛様体筋以外に、次の6種類の眼筋があります。 1上直筋 2下直筋 3内直筋 4外直筋 5上斜筋 6下斜筋 意外にも知られていないのですが、実は、これらは6種類の眼筋も、視力に大きな影響を持っています。その理由は、次のようなことから分かります。 |
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第1の理由=視力の悪い人ほど、ほとんど目を動かそうとしない。 他の方向を見ようとする時に、視力のよい人は目を動かすのに対して、視力の悪い人は首を動かして、常に顔の正面で見ようとする傾向が見られます。これは「眼筋が衰弱しているので本能的に眼筋をかばって負担を避けようとする」と「視野が狭まって正面の方向しか良く見えないので、そちらに首を向けるしかない」という、2つの理由によります。そして、動かさないために、余計に眼筋が衰弱するという悪循環に陥っています。 |
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第2の理由=目を速く動かす競争をさせると、視力の悪い人ほど遅い。 たとえば、窓枠の上端と下端というような離れた2点を首を動かさずに交互に見るという往復運動(制限時間10秒間で行なう)の競争をやってみます。そうすると、視力のよい人ほど速く、数多く往復させることができ、視力の悪い人ほど遅く、少ない回数しか往復させられない、という結果になります。また、視力の極端に悪い人は制限時間の10秒がもたず、わずか3秒とか5秒で急速にペースが落ちて、目が動かなくなります。 |
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第3の理由=日常的に目を速く動かす運動をしていると、徐々に目がよく見えてくる。 たとえば、近視の人は遠くのものを識別しようとして、ボヤケて識別できない時、目を細めて焦点深度を深くすることによって識別する、という癖があります。そういう時、目を細める代わりに、理由第2のように何か目標(黒板の左右の端とか)を2つ定めて素早く交互運動をやり、その後で改めて目標を見るようにすると、最初よりもわずかながら、ハッキリしているのを感じることができます。 |
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普段あまり動かさないで萎縮していた眼筋が、この短い運動によるマッサージ効果で、多少なりともほぐれ、焦点が合いやすくなったわけです。そこで、こういう眼筋運動を日常的に行なうことを習慣にしているとかなり高率で視力が向上するのが測定されます。また、視力という数字には明確には現れなくても、本人の自覚としては「目が以前よりも見えるようになった」「視野が広く明るくなった」という感じを受けることが多くあります。 | |
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さてここで、あなたの現在の眼筋が健康状態にあるか、それとも不健康で眼筋トレーニングの必要性が高いかをチェックしてみましょう。ここに、上下・左右・斜めの8方向の直線を組み合わせた、《米》のような図形がありますが、これを見て、次のことを行なってください。 | |
1 | 家族か知人に時計を持ってもらって、横で10秒の制限時間を計測してもらう。 |
2 | 「用意、ドン!」で上下方向の線の上端と下端を交互に見始め、10秒が経過したらストップして、往復できた回数を勘定して記録する。 |
3 | できるだけ首を動かさず、目だけで目標を見るように心がける。 |
4 | 同じ要領で、それぞれ10秒ずつ左右、右上、左下、左上、右下の斜めの往復運動も行ない、往復できた回数を勘定して、記録する。 |
5 | 往復回数が10秒間で20回に満たなかった人は、眼筋が衰弱しているか、運動不足の状態ですから、眼筋トレーニングの必要があります。 |
6 | 方向によって往復回数が極端にバラついた人は、眼筋力がアンバランスで、乱視であるか、現在はまだ乱視と判定されていなくても、乱視になる恐れがあります。 |