2点以外読まず訓練
 
心の中の音読の「悪習」をなくすために、まず基礎的な初級速読法の訓練として「2点以外読まず訓練」を行なってみましょう。専用ソフトの訓練だけだと、特に左脳型の人の場合、実際に印刷された活字を読む場合に、擬似音読に引き戻される傾向があります。以下の、左右にの目印が付いた訓練文がありますから、次の要領で取り組んでみてください。
 
1 横で誰かに秒を計測できる時計を持って、10秒間を計測してもらってください。
2 「用意、ドン!」で訓練を始め、10秒間の経過を知らされたら、そこで止めてください。
3 左右のだけを、左右、左右、左右・・・・・と、できるだけ素早く見ていき、中間の文章は読まない(目に入ってしまう分には構いません。)ようにしてください。
4 制限時間前に末尾までいったら、最初に戻って2巡3巡と繰り返してください。
5 10秒間が経過したら、何行までいったかを勘定してください。眼筋トレーニングと同じく、20行以上いくことが目標です。
6 要領が飲み込めたら、自分が読もうと考えている本の文章の行頭・行尾の文字を目印の記号に見たてて、10秒間だけやってみてください。
7 次に半分の速度に落とし、中間の全部の文字を目でなぞってください。これは、30秒間です。
 
=====================訓練文========================
 
左脳速読から右脳速読へ進化して初めて質的記憶が強化される
しかし速読術のトレーニングの中には、右脳を活性化して強化するトレーニングがふくま
れています。
これをやらないと、ある段階で速読術の伸びがストップしてしますので、その壁をクリアー
するためにトレーニングするのですが、その壁を越えるほど速読術に上達してくると、次第
にそれまで遊ばせていた右脳を使うようになってきます。
右脳は映像・イメージ的な能力を司っており、この右脳速読が修得できると連動して映像
をイメージできる能力も高められるので、記憶が非常に鮮明になり、そのことによって記
憶力も大幅にアップします。
具体的な現象としては、それまで色付きの夢を見なかった人がカラーの夢を見る、何か形
のあるものを企画などで脳裏にイメージする時に、その形状や色彩が実物のように明瞭に
なる、といったようなことです。
こういう自覚できる現象が現れるほどイメージ力が強化されてからでしたら、イメージ方式
の記憶術に挑戦しても、十分に修得することができます。
「速読術も記憶術も」と、一挙に両方を修得したいのは当然の人情で、それが可能であれ
ば、それに越したことはないのですが、それは大多数の人の場合、「二兎追う者は一兎を
も得ず」になってしまいます。
これは、スポーツでフォームが固まっていないうちから、いきなり高度な実戦トレーニング
に挑むのと同じことです。
スポーツでは、最初は手足の動きがバラバラにならないように、個別のフォーム固めをす
ることが大切です。
それができるようになって初めて飛んでくるボールに取り組み、それから相手選手との対
応で身体の動きを考えていく、というように段階的にトレーニングをします。
速読術から記憶術に進む時も、似たような段階の踏み方をして、まず速読術、次に記憶術
というわけです。
このように順序を踏まなければならない理由ですが、人間は何かを覚えてやろうとして意
識を記憶対象に集中すると、通常はその対象に向かって視野が狭まり、余分なものを見
ないようにします。
ところが、これは速読術の修得には大きなマイナスで、速読術を修得するためには、絶対
に視野を狭めないで、むしろ今まで以上にトレーニングで広げる必要があります。
つまり、速読術と同時に記憶術を学ぼうとすると、片方は視野を狭めようとし、片方は広げ
ようとする、というわけで、相互にブレーキとして足を引っ張り合う可能性が非常に大きい
のです。
速読術のトレーニングでは、まず左脳型から始めて、レベル・アップしたところで右脳型に
進むと述べたところで、左脳型・右脳型ということの説明をしておきましょう。
左脳による思考や記憶というのは、いわゆる言語と論理の記憶で、たとえば私たちが英語
を教わって理解し、単語や熟語の意味を覚えているのは、左脳の働きによるものです。
この時、日本人の場合、多くは映像的なイメージを伴いません。
たとえば「apple」と聞いて、「林檎」と出てくるよりも先に頭の中に赤や緑の林檎の映像
が思い浮かぶようであれば、それは左右脳連結型の思考と記憶です。


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