2点以外読まず訓練に再チャレンジする |
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さてここで、2点以外読まず訓練に再チャレンジしてみることにしましょう。今度は先ほどのことに加えて、次の要領に気をつけて再チャレンジしてください。 |
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全速で左右の を見ている時や、半速で全部の文字をなぞっている時には、意味を読み取っていないわけですから、かなり広い範囲の文字が見えているはずです。それなのに、実際には見えていない人は、視野を絞り込む習性が強過ぎる、ということですから、今度は意識的に絞り込みを防いで、広く見るようにしてください。 |
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ところが、実際に意味を理解しながら文章を読み出した時には、どうでしょうか?あなたの目には、意味を捉えている行の両隣の行、そのまた隣の行の文字が、目に入って(その気になれば識別できる)いますか?これは、識別できる人が3割ぐらいで、識別できない人が7割ぐらいです。識別できない人は、意識の1割ほどをさいて、左右の行の文字を識別するようにしてください。 |
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3 |
読むのが遅い人は視野を1行に集中して、その行しか見ていない、速い人は視野を広範囲に保って、複数の行の文字を目に入れている(見ているだけで、意味まで把握しているわけではない)という傾向があります。そういう人を詳しく検証してみると、あまり本人は自覚していないのですが、無意識で先のほうに書かれている文章の内容の予測をつけたり、通り過ぎた箇所の読み返しをしているのです。そして、別に速読法の訓練を受けたわけでもないのに分速5,000文字前後というような、読むのがもっと速い人になると、意識的に先のほうの予測もつけて、通り過ぎた箇所の読み返しもするという、同時に複数の領域の意味を読み取る読み方をしているのです。 |
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そこで、全速・半速で見る時には、意識的に複数の行を視野に入れるように、そして意味の読み取りに入る(従来どおりに読む)時にも、できる限り視野を絞り込まないようにしてください。 |
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視野は収縮を繰り返す |
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こういう読み方がいつでもできるようであれば、すぐに初歩の速読が身に付きます。と言われても、今までそういう読み方をしてこなかった人が、急にやろうとしても、きっと無理だろうと思います。最初のうちは、「視野を広く保って読み始める」でも、「ハッと気がついたら、前と同じように視野を絞り込んで読んでいる」、そこであわてて「視野を広げる」という、広くなったり狭くなったり、の繰り返しになると思います。 |
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何度かやっているうちに、徐々に「視野を広く保っている場合のほうが多くなった」というように持っていってください。しかし、視野を広く保つことにあまり過剰に意識を向けすぎると、今度は、2点以外読まず訓練で、最高速で目印を追うことができなくなってしまいます。この2点以外読まず訓練では、あくまでも最高速で目を動かして左右の目印を追う、ということが最優先で、視野を広く保つことは重要度では、第2順位になります。それでは、ページを戻って、再チャレンジしてみてください。 |
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動体視力は伸ばしやすい |
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人間の能力の中で最も伸ばしにくいのがオリンピックなどでもわかるように、より速く走る、より重い物を持ち上げる、などの筋肉運動です。これは、トレーニングや食事療法によって筋肉そのものを増やさなければならないからです。逆に、最も伸ばしやすいものの1つが、高速で動く物体を見極める、目の識別力(動体視力)で、速読法は、この特徴を最大限に活用すると、簡単に修得できます。 |
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「2点以外読まず訓練」で、まず意味が読み取れない高速で中間の文字を飛ばし、両端の目印だけを見るのは、脳の中の文字を読み取りに関与した部分の加速が目的でした。たとえ意識としては中間の文字を飛ばしても、目は現実に文字の上を通過するわけで、視野(網膜)には映りますから、本当の意味で文字を飛ばしたことにはなりません。そうすると、これを繰り返している間に、脳が知らず知らず加速されていきます。 |
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脳が加速された後で文字を読むと、高速道路を走行した後に一般道路に降りた場合のように、従来どおりのスピードで読むと異常に遅く読んでいるような感じがして、もっと速いスピードのほうがちょうどよいように思えるのです。ただし、文字を読む時に音読、もしくは擬似音読をする習慣のある人は、声帯を動かすために完全に元のスピードにまで引き戻されてしまいます。そこで、最初にこのトレーニングを行なう時は、どうしても声帯を動かしてしまう擬似音読の習慣を捨てる必要があるのです。 |